1997年 Appleマッキントッシュ用メモリ編集ソフト「携帯ほいほいVer.1」の開発。
1998年 Windows用メモリ編集ソフト「携帯ほいほいVer.1」の開発。

当時は携帯電話の普及期だった。従来の自動車電話と言われた弁当箱サイズだったものが、生産技術の向上により、精密部品の小型化、軽量化、縮小化などが実現、ポケットに入るサイズとなり、性能も飛躍的に向上した。この結果、爆発的に携帯電話が普及するに違いない。携帯電話を国民1人に対して1台、いやそれ以上の台数を所持する時代が間違いなく到来する…。だが、その携帯電話の電話帳機能は全て、手入力を前提としていた…。パソコン上で入力した住所録をそのまま携帯電話に流用できれば…!また携帯電話を紛失した時や故障した際に電話帳がバックアップできていれば良いのでは…!など、模索することが多く、携帯電話の使い勝手は劇的に向上するはずと確信した。このような観点から携帯電話とパソコンとのデータ通信を実現するソフトウェアとして、「携帯ほいほい」を開発

解決した技術的問題点。日本社会の問題点とは…その1。

携帯電話の主流はNTT社(後に移動体通信を経て、現在のNTTドコモに分社)が開発したPDC方式だった。PCと接続するコネクタは存在する。このコネクタはデータ通信で、一般的なRS232Cという仕様で通信。RS232Cは一般的に10ビットで転送するもの。

  • 1: 通信の開始を示すスタートビット
  • 2~9: 8ビットの通信データ
  • 10: 通信の終了を示すストップビット

通信データは合計8ビットとして、まるまるデータとして利用するか、7ビットとして余った1ビットを通信エラー検出に当てる仕様になっていました。PDCではデータ長8ビット、通信エラー検出に1ビット、合計9ビットなっていた。よく言えば通信LSIが偶然備えた冗長性、悪く言えば、LSIのバグの設計ミスを使用していたもの。通信LSIは当時Intelの8051、ナショナルセミコンダクター社の16550など複数存在したが、いかんせんイレギュラーな仕様のため、LSIによっては動かなくても当然という状況。ちなみにマッキントッシュは16550を採用していたと記憶するが、テストをしてみないと動くか、どうかは判らない状態だった。

解決した技術的問題点。日本社会の問題点とは…その2。

日本の携帯電話メーカはNTT、IDO、ツーカーセルラー社の三系統ありましたが、右に倣えでPDC方式を採用。しかし各社メーカおよび電話機(デバイス)の主な製造メーカのNEC、SONY、パイオニア、カシオ、東芝、三洋、富士通、松下社のいずれの企業もパソコンとの通信仕様を公開したがらなかった。急成長する携帯電話市場に追随すべく、競争が激化していたため、それどころではなかったとは思うが、情報公開により、機能が強化すればユーザは喜ぶ、顧客満足度の向上は、強いては携帯電話の販売に貢献し、売上が増えるという視点に希薄さを感じた。

1997~2000年にかけて、Appleマッキントッシュ/Windows用メモリ編集ソフト「携帯ほいほい」は約年2回のペースでバージョンアップし、以下のクライアントへソフトウェアを提供、様々な要望に対応、実績を積み重ねた。

  • WindowsCE版をNEC携帯端末シグマリオンに標準バンドルとして提供。
  • WindowsCE版を日立携帯端末ペルソナに標準バンドルとして提供。
  • WindowsCE版をカシオ携帯端末G-FORTに標準バンドルとして提供。
  • PHSキャリア「アステル東京」にOEM提供。
  • PHSキャリア「DDIポケット」に「エッジ向けアプリ」として提供。
  • auのデータ通信カード「PacketOne」に標準バンドルとして提供。

本ソフトウェアの開発、提供から20年を経て、携帯電話は更なる技術革新により進化し、現在のスマートフォンという多機能複合デバイスへと発展、1人1台以上を所有する成長市場に至ったことは言うまでもない。ただ、機能強化の側面で、情報という価値判断が希薄化、流 動化する現象や個人情報を保護、保全するセキュリティとして、機能が追随していない現状には急成長を遂げた影の部分として、警鐘を鳴らすと同時に、現在においても本ソフトの必要性から2018年10月に“PCをスマホの母艦にする「SmartPhoneほいほい」”を開発、リリース した。
現在、様々な情報セキュリティを高度化するソフトウェア、システム、情報通信とそのプラットフォームの研究、開発に挑戦し続けている。