2008年 高精度乱数生成の周期10の27000乗、「SRG(ソリトン・ランダム・ジェネレーター)」超長周期擬似乱数発生ソフトウェア、擬似乱数発生装置の発明、開発を発表。

2008年はグローバル経済の大転換期へ時代は突入していく背景にあって、様々な技術革新を唱えれるようになった。その時代を牽引するインターネット関連産業はITバブル(1995-2001年)を経て、従来の地域IP網はNGN(Next Generation Network=次世代通信網)が整備拡大しつつ、本格的な情報通信網のインフラが高度化、高成長期に…。電話通信サービスに加えて、映像通信サービスの需要拡大、通信機器デバイス関連のグレードアップを始め、家電では大型の高解像度インターネットテレビ、自動車では電子化されたハイブリッド車など、高付加価値の商品群が目白押し。これからの技術革新を下支えする商品開発のシミュレーション、情報通信、情報セキュリティの高度化などにおいて必須となる“乱数”について、注目することになった。

乱数というは“真性乱数と擬似乱数があり”、真性乱数の代表例として知られているのが、サイコロ。簡単に言えば、サイコロを振る出目に例え、1つ目に出た数字に対して、次の出目が予測できない不可能な値を示すもの。これが真性乱数で、その真性乱数に対して、擬似乱数ではその予測できない値にどれだけ近似することができるか、これを擬似乱数と言い、その近似値が擬似乱数の精度に値するもの。

次に擬似乱数の用途について、簡単な説明をすると、大別してデータ通信やそのデータ処理、管理に対して、盗聴、改ざんなど、できないように情報を暗号化する手段として使われる方法”と、膨大なビックデータを使って、シミュレーションする方法として活用”されています。従って、携帯電話、スマホの電波、その他の類似する情報通信では言うまでもなく、プリント出力や映像の画像生成の解像度や自動車エンジンの燃焼実験、身近なものでは天気予報も擬似乱数でシミュレーションされるなど、知らず知らずに擬似乱数技術の恩恵を受けているというわけです。

従来の弊社(電机本舗)が開発する製品で、暗号化を必要とする擬似乱数生成のエンジンにメルセンヌ・ツイスタを採用していました。当時の暗号化技術(擬似乱数)の業界標準として、AES暗号が推奨されていたが、とにかく速度が遅く、現実的な製品開発ができない。また製品開発において、メルセンヌ・ツイスタにもそれなりの欠点があるもの、他の選択肢がなく、また社外製というのは画龍点睛(がりょうてんせい)、コア技術として何とも心許無い。まして、この技術革新の時流にあって、「この擬似乱数では量子コンピューターの出現によって、大きな問題(暗号の解読による)に発展するだろう…。」と懸念を抱き、オリジナルの擬似乱数技術の設計に挑戦することと決断した。

では、技術開発をするに当って、「“乱数そのもの”が何だろう???」かと。…もう一度、立ち止まって考えて観ることにした。

まず、自然界に存在する乱数として、知られている物は何だろう?“自然界に存在する乱数…それは白色光(ホワイトノイズ)が有名”だった。白色光はノイズ、つまり雑音として解釈されている。このノイズは乱数性を備えるというものだ。光というものは物理学において「粒子でもあり、波でもある…」という。つまり良く判らないもの、あるいは二面性を持つものということか…。これでは見本として不向きだ。では白色光と良く似ていて、明快な自然現象としては他に何かと…考えれば水面のさざ波、波紋に思い至った。要は光を水に置き換えるわけでいい!?雫が水面に波紋を作る…。短周期、長周期の波紋は何十にも重ね合わせる重畳(ちょうじゅう)現象から、さざ波を形成する…この波の強弱は正に乱数に近づいていく現象だ!これを整理して考えて観ると、さざ波は水面で起きる…。つまり“平面上で起きるものだから3次元ではなく、2次元上で伝播すること”になる。これはすこぶる都合が良い!ノイマン型コンピュータ(コンピュータの基本構成の原点と言われているもの)では“1次元、つまり一直線のメモリ空間しかなく、1次元に近い現象ほど、プロラム化しやすいもの”だ。

白色光をヒントに光を水で置き換えて考えたものを乱数の原点として解読し、発明のきっかけとなった。これが擬似乱数「SRG(ソリトン・ランダム・ジェネレータ)」の開発に至るアイディアの原型と言えるもの。(※ソリトン[Soliton]とは、非線形方程式に従う孤立波で、「慢性の法則」による複数の波が衝撃した後でも、安定に存在するパルス状の波動のこと。)最終的にはこれを徹底して抽象化し、“擬似乱数生成装置、ソフトウェアの開発、そして制作に成功”した。“SRG-SDK”はアメリカ政府が定める技術水準、米国国立標準技術研究所(NIST)が配布している乱数検定ソフト“NIST SP800-22の定める検定水準のガイドラインをクリア、日本国内では独立行政法人情報通信研究機構/カオスウェアにて検証され、世界最高峰の擬似乱数(暗号化技術)として評価”された。

このソリトン式アルゴリズムの擬似乱数ソフト「SRG」の総合評価として…

  • 1.高速性(乱数生成速度):15Gbps/secの高速
  • 2.乱数性(精度)     :検定基準を90%クリア(NIST検定)するバラツキ、偏りが少ない。
  • 3.周期性(安全性)    :無限乱数生成に近い10の27000乗

乱数生成の周期、速度と併せて、“乱数性、周期性と偏りが少ない安定性の高いもの”として、“世界最高品質の擬似乱数生成ソフト(暗号化通信技術)と評価”されたもの。SRG-SDKの性能では鍵の長さが1,200ビット以上で指定が可能。“乱数生成が10の27000乗であってもその作業メモリはたったの8KBで、超高速。また“プラットフォームを選ばない拡張性があること”、“汎用性にも優れていることから、小型のCPUへの組込みも容易”であり、高速稼動を実現できる。ブロックチェーンなどの高度なセキュリティに対応した暗号化強度であり、また防犯監視の通信、遠隔操作が必要な情報通信、しいては次世代通信網のインフラに技術貢献できるものと確信している。

本擬似乱数の発明については日米で特許を取得。「擬似乱数発生装置、擬似乱数発生プログラム及び擬似乱数発生プログラムを記録した媒体」(※詳しくは研究開発の特許出願のページをご参照ください。)