1998年 MacOS、WindowsCE版 住所検索ソフト「郵便番号地名姓名辞書」の開発

ASCII出版のMacintosh向けの技術系雑誌“Mac Techジャパン”において、小生がプログラミングの視点で連載、記事をガリガリと書いていた1997年の師走だと記憶しているが、郵政省が“郵便番号を7桁化”に移行、その変更を理由としたものと思われるが、全国の郵便番号をホームページに公開、CSV形式(テキストファイルの一種)で自由にダウンロードができるようになった。

年賀状の季節が近づいており、年賀状の住所入力に有力なツールになりそうだと思いつつ、少し調べてみると、いろいろと用途があることに気づいた…。何よりも“Apple日本法人より「ことえり」という、新しい日本語入力システムをリリースする”という。「ことえり」とはMac OS日本語版、OS XおよびOS Xserverに組み込まれた日本語入力プログラムである。確か「ことえり」の製作者は“Daruma(苫米地英人開発)”というコードネームだったと記憶。Apple日本法人から、「ことえり」は開発業者向けに配布前のサンプルの提供を受けており、何か上手い活用法はないかと思案していると言う…。この相談を受けて、郵便番号を入力、その郵便番号が住所として一括変換できれば非常に便利だと発案して、「郵便番号地名姓名辞書」ソフトウェアを開発した。

例えば、108(※〒108を検索)と入力して、変換キーを押せば、次のように候補が出る。
  • 東京都港区高輪
  • 東京都港区芝
  • 東京都港区芝浦
  • 東京都港区白金
  • 東京都港区白金台
  • 東京都港区海岸3丁目

上記のように東京都の検索結果だから、この程度の情報量で収まるが、住所が長いと言われる京都では… 〒605-0014 京都府京都市東山区三条通南二筋目白川筋西入ル二丁目北木之元町 のような住所が存在する。

このように長い地名(住所)は日本国内には結構多い。3桁あるいは7桁の郵便番号を入力するだけで、住所の全文入力に展開できるのは非常に便利だ。変換キーをカンカン叩けば、郵便番号と合致する住所が一括で入力ができる。日本全国の住所データは総数で約8万件ほどで、「ことえり」用の辞書を自動生成して、本ソフトを制作した。またMacintosh OSのみならず、当時に出始めていたPDA(電子手帳サイズのパソコン)のWindows CE用にも展開、パッケージ化して、リリースを開始した。

住所の入力作業や添削作業などは、結局のところ、人手に頼って作成することが多く、とても厄介な力仕事、作業に他ならない。本ソフトの開発は、郵政のホームページが提供するCSV形式のファイルをダウンロード、「ことえり」側は同様に所定のCSV形式のファイルを読み取る機能があったから、ここに加工したプログラムファイルを読み込ませれば、郵便番号辞書として住所を自動生成できるソフトウェアの完成に至っている。このプログラムの開発工数ならば半日仕事であり、雑誌の実践記事としては、程よいボリュームだった。当時、アプリが極端に少ないマックユーザから大変だった手作業が省略できる!と喜ばれたと同時に、編集部にも感謝される一石二鳥の出来事。小生にとって、夜なべで制作したプログラムは、わずかな力仕事であった。